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Code Geass SS (introduction)

グラスを傾かせ、ライは飲み物を口に含み、ゆっくりと流し込んだ。
この日は特別雨が強い夜だった。
少し前に戦争があった。聞いた話だが、この土地も舞台となり、以前の景色に爪痕を残したそうだ。
明かりが灯る街灯は僅か。至る所にナイトメアフレームの残骸があり、戦火の爪痕が残っていた。
ライ自身、幾つかこの目で見た光景もあった。





ここには数人の男女しかいない。路地裏のモーテルの廃れたバーで夜、わざわざここで休もうと思う人間は貧乏人か訳ありの人間くらいだ。

そんな模様を眺めていた。背後には窓があるが、その窓は固く閉ざされていた。
粗悪的な空間ではあったが、まだマシなのかも知れない。
そう暫く考え直した。


「.........」



少し経つとエントランスから若い男女が入って来た。
男は黒のミドルコートを羽織り、腕を抑え、苦悶に満ちた顔をしていた。女もロングコートを羽織り、男を支えていた。男は怪我をしていた。
2人共帽子を深くかぶり、顔は伏せていたが、良く見ると若い男女の様だった。
女は辺りを見回し、声を張った。

「誰か!医療具はない!?」


そう女は言い、ウェイターを呼び、空いているソファへ男を座らせた。
無理矢理連れられたウェイターは傷口に消毒液を当てていた。女は慰める様に、傷を癒す様に男に話しかけた。

「ねぇ。もう大丈夫だからね。 早くこの街を出て、2人で田舎で過ごしましょう。あたしはあなたさえ居れば何もいらないし、何でも出来るのよ。」

『有り難う。.....でも俺はもう長くないのかも知れない。あいつらはどこ迄も追ってくるだろう。なんとかここでケリをつけたい。そして、せめてお前だけでも逃げるんだ。』

「そんな言葉は聞きたくないわ!!誰か!痛み止めを頂戴っ!!」

女は必死に男に語りかけた。ウェイターは不承不承ながらも探しにキッチン裏に戻った。
ライはそのやり取りをカウンターから見ていた。
別のウェイターがライに話しかけた。

「.....あれはそう持たないでしょうな.....。」
『どうでしょうね。土壇場で人は強くなるでしょう。彼はまだ生きながらえるかもしれません。』

ライはそう答えた。
男女が幾度かのやり取りを行い、女は席を立った。
ライはコーヒーを飲み干し、男の居る場へ歩み寄った。

『護身用に持っているといい。丸腰よりはましだろう。』

渡したのは今では全く見る事も無い36口径の銃、そしてナイフだった。男は答えた。

「あぁ、有り難い。出来れば彼女に持たせてやってくれないか。」

『そうか.....。君は必要ないのかい?』

「要らないさ。僅かだが休めたよ。有り難う。名を教えて欲しい。必ず借りは返すよ。」

『ライと言う。礼は要らないよ。道ばたで拾った物だ。僕は使わないから、使ってくれるだけで良いんだ。』

「そうか....。僕はベンと言うんだ。田舎で生を受け、20年近く生きて来た。ただの末端の人間だ。組織を裏切って逃げて来たんだ。ここまで優しくされたのは恐らく彼女と君くらいだ。それまでは糞みたいな人生だったよ。本当さ。嘘じゃない。でも生きて来て良かった。お願いだ。僕の名前は忘れてくれ。ライ、君の為にも良くはないだろう。最初で最後の願いだ。」

『.....ならば彼女の為にも死なないでくれ。』

僕に言えた義理じゃないが.....とライは伝え、銃器やナイフはそのままに、カウンターに戻った。背後ではベンが足早に礼を言い、店を去った。互いに振り返る事は無かった。
ライは覚えて間もない煙草に火をつけ、再度コーヒーカップを口に運んだ。少し経ち、女が戻った。
ベンが居ないのを見て、大急ぎで外に出てしまった。やがて、悲鳴、すすり泣きが遠い所から運ばれた。
何人かは外に出た。また何人かは野次馬気分でその場を目指した。
ライ自身、見向きもしなかった。彼が亡くなったのかは解らなかった。
さよならを伝えた以上、ベンの意思を汲む為、ライは見なかった。

彼、ベンは出て行く前、穏やかな表情を見せ、薄く笑った。ライは混乱し、自分自身を揺り動かしていた。
記憶は時間が経てば徐々に歪になり、曖昧なものになる。また日々得た記憶にはムラがあったりするものだった。
記憶が記憶として純粋に残る事は先ず無かった。

2年前、かつての友人がそんな表情を見せていた。運命を受け入れた表情だった。隣にはいつも魔女が居た。僕は2人とも宝石の様に輝き、魅せられていた。








※後書き
少し短い、、、ん~なんでしょうww
かなりオリジナル色強過ぎだなwww
現在から過去に振り返る様にしています。

過去ブリタニアとかもろもろはほとんど原作準拠かと。でも誇張や改変はしていきます。
割とハードボイルド物が好きなので、そういう感じになるのかな。


それではまた。
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ジャンル : 小説・文学

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まとめtyaiました【Code Geass SS (introduction)】

グラスを傾かせ、ライは飲み物を口に含み、ゆっくりと流し込んだ。この日は特別雨が強い夜だった。少し前に戦争があった。聞いた話だが、この土地も舞台となり、以前の景色に爪痕を残したそうだ。明かりが灯る街灯は僅か。至る所にナイトメアフレームの残骸があり、戦火の... まとめwoネタ速neo - 2012.05.13 17:04

まとめ【Code Geass SS (intr】

グラスを傾かせ、ライは飲み物を口に含み、ゆっくりと流し込んだ。この日は特別雨が強い夜だった。少し前 まっとめBLOG速報 - 2012.11.22 04:18

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